研究概要

我々は「より安全な車」を実現することを目標とし、自動車の衝突に関する研究を行っています。

・自動車の衝突特性の解析
・乗員の保護
・自動車衝突時の歩行者保護
・転倒時の大腿骨近位部骨折に関する解析

など、交通事故時の傷害発生メカニズムの解析や傷害防止のための衝突安全技術の研究・開発など自動車の設計に直結する研究を行っています。
いずれも、コンピュータシミュレーションを用いて、外部の機関と連携を取りながら研究を行っています。

研究例

子供乗員の保護

交通事故時の子ども乗員保護は現在、国際的に重要な課題となっており、国連などでも非常に多くの議論がなされています。子どもは衝突事故時には頭部が室内と衝突して、傷害を受けるケースが最も多くなっています。本研究では側面衝突時に子どもの頭部がチャイルドシートからどの様に出て、傷害を受けるかをコンピュータシミュレーションにより検討しました。また衝突実験を行い、子どもダミーがシミュレーションと同様に運動をし、頭部がチャイルドシートから出て、窓ガラスやドアと衝突することで重篤な傷害を受ける可能性を示しました。



自動車衝突時の歩行者保護

歩行者保護の研究では、歩行者が自動車に衝突したとき、どのような挙動をするかコンピュータシミュレーションにより示しています。 その際車体の形状や変形特性がどのように人体を変形させ、傷害を与えるのかを検証しています。

自動車衝突時の後席乗員保護

自動車衝突時の乗員保護として、前席ではシートベルト、エアバッグ、プリテンショナー、フォースリミッター等が用いられています。しかし後席においてはエアバッグの導入は困難であり、プリテンショナーやフォースリミッターの採用もほとんどありません。本研究では、後席乗員の保護を目的として、乗員の傷害に大きく影響を与える車両減速度の最適化を行っています。最適化された車両加速度を用いることで、乗員の胸部加速度、胸部たわみ量を大幅に減少することができました。



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自転車用ヘルメットによる脳傷害防止

頭部回転に起因する脳傷害に対するヘルメットの有効性とその保護原理をコンピュータシミュレーション(有限要素解析)によって明らかにします.
・ヘルメットのモデル化
・衝突解析
・傷害発生過程の明確化と脳傷害に対するヘルメットの保護原理の解明
本研究は公益財団法人JKAの補助を受けて実施しました.その成果については2017年日本機械学会年次大会にて発表予定です.

2018年 修士論文テーマ

・自動車前突における乗員胸部傷害低減のための拘束装置の提案
・衝突形態を考慮した拘束開始時刻が乗員挙動・傷害に及ぼす影響
・Aピラー衝突における自転車用ヘルメットによる脳損傷軽減メカニズムの検討

2020年 卒業論文テーマ

・歩行者事故における路面落下時の傷害
・転倒時の大腿部骨折の実験的検討
・ダミーの加速度と角速度による運動の記述
・ドライブレコーダを用いた二輪車事故発生要因に関する研究
・上肢傷害に関する研究