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おもな研究テーマ
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物質の乱流混合・拡散スカラ(温度や濃度)を効率よく混合させるためには流れを乱流にすることが必要です.本研究では,基礎的な流れ場である格子乱流場やせん断乱流場での運動量やスカラがどのように輸送されるかを研究しています.実験では混合層型水路実験装置を用いて,速度と濃度の同時測定を行っています.一方シミュレーション研究では,DNS(直接数値計算)により,特に遷移乱流場における運動量・スカラ輸送構造を解明することを目指しています.
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化学反応を伴う乱流拡散・混合化学反応を伴う乱流は化学プラントや大気・海洋中の物質の拡散など様々なところに存在します.反応生成を正確に予測するためには,化学反応と乱流の両方を正確に考慮したモデルが必要になります.本研究では,実験と数値シミュレーションを通して,特に噴流の乱流/非乱流界面近傍における輸送現象の解明およびモデル化に取り組んでいます.
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フローバッテリ内の亜鉛析出亜鉛蓄電池は,再生エネルギー利用のための大型蓄電池や中毒性を有する鉛蓄電池の代替の最有力候補です.しかし寿命が短いため,実用化には至っていません.これは充電時における亜鉛の電析形態が不均一で,内部ショートするためです.本研究では,従来流体工学分野で用いられてきたBOS法と呼ばれる手法を応用することで,電解液内亜鉛イオン濃度場と結晶成長の同時測定を可能としました.これを基にイオン輸送を制御し析出を均一化することで,亜鉛蓄電池の長寿命化を目指しています.
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噴流制御噴流は様々な工業装置に用いられているため,それを制御することは,工学的に極めて重要です.この研究では,ボルテックスジェネレータ(VG)と呼ばれる小片を噴流出口部に挿入し,せん断層に乱れを加えることで,噴流のコントロールを試みています.これまでに,VGにより噴流出口直後では流体の巻き込みや物質の拡散が促進されるものの,下流部においては逆に抑制されることを明らかにしました.現在はそのような現象が生じるメカニズムを明らかにすることに取り組んでいます.
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多翼ファン翼間の流れと騒音発生近年,自動車エンジンの低騒音化が進められ,その分カーエアコンから発生する音が目立つようになりました.そこで,風を発生させるファンを改良し,低騒音化を目指しています.音は空気がファン表面からはがれたり,再付着することで発生するので,流速と,ファン表面の圧力と,発生した音を同時計測するという実験手法をとっています.同時に,実験では得られないパラメータを評価するため,数値シミュレーションも行っています.
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乱流境界層内の大規模構造飛行機や自動車など流体中を動く物体の表面近くには乱流境界層と呼ばれる速度変化の大きな層が形成されます.物体が移動するときの抵抗が,この乱流境界層の状態に大きく支配されています.本研究では壁面摩擦の発生機構として近年注目されている乱流境界層内の大規模構造の特性を解明することを目的としています.流速の測定ではおもに左の写真のような自作の多点計測用熱線流速計を用いています.
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おもな研究設備
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循環型大型風洞 主な用途: ・乱流と衝撃波の干渉実験 ・物体(翼等)の外部・内部流れ ・格子乱流(一様等法制乱流の物理) |
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吹き出し型大型風洞 主な用途: ・乱流境界層に関する実験 |
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格子乱流風洞 主な用途: ・CO2(物質)の乱流拡散に関する実験 ・格子乱流の生成機構に関する研究 |
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二次元噴流風洞装置 主な用途: ・速度・圧力・温度の同時計測 ・乱流の秩序構造の抽出 |
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軸対称噴流風洞装置 主な用途: ・噴流の制御 ・速度・温度同時計測 |
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混合層水槽 主な用途: ・物質の乱流拡散に関する実験 ・レーザ計測手法に関する研究 |
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液相二次元噴流装置 主な用途: ・化学反応を伴う乱流に関する実験 |
その他 ・壁面噴流風洞 ・翼列モデル風洞 ・二次元チャネル風洞 ・脳動脈瘤モデル用水槽 ・液相噴流拡散水槽 |
・噴流と旋回流の干渉実験用水槽 ・縦型格子乱流水槽 ・ワークステーション ・スーパーコンピュータ(共同利用) |