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おもな研究テーマ

乱流と衝撃波の相互作用

次世代超音速旅客機の開発と関連して,機体から発生した衝撃波が大気中を伝播する際に,大気乱流と干渉した場における現象を解明することは重要です.そこで本研究では,大型風洞を用いた室内実験を通して,衝撃波が乱流に及ぼす影響を明らかにしています.PIV(粒子画像計測法)と呼ばれる流速計測手法を用いて衝撃波と乱流が干渉する瞬間における空間速度場を計測することで,乱流の特性変化を明らかにすることを目指しています.(実験/数値計算)→詳細

フラクタル格子乱流

本研究ではフラクタル格子と呼ばれる格子を用いて生成した乱流の特性の解明に取り組んでいます.これまでの研究から,フラクタル格子乱流では正方格子と比べて,①乱れが極端に大きい,②渦の大きさが成長しない,③入口と出口で乱れがアンバランスであることなどが明らかになってきました.これらは高性能混合デバイスや,騒音低減デバイスの開発につながる可能性があります.(実験/数値計算)→詳細

物質の乱流混合・拡散

スカラ(温度や濃度)を効率よく混合させるためには流れを乱流にすることが必要です.本研究では,基礎的な流れ場である格子乱流場やせん断乱流場での運動量やスカラがどのように輸送されるかを研究しています.実験では混合層型水路実験装置を用いて,速度と濃度の同時測定を行っています.一方シミュレーション研究では,DNS(直接数値計算)により,特に遷移乱流場における運動量・スカラ輸送構造を解明することを目指しています.(実験/数値計算)→詳細

化学反応を伴う乱流拡散・混合

化学反応を伴う乱流は化学プラントや大気・海洋中の物質の拡散など様々なところに存在します.反応生成を正確に予測するためには,化学反応と乱流の両方を正確に考慮したモデルが必要になります.本研究では,実験と数値シミュレーションを通して,特に噴流の乱流/非乱流界面近傍における輸送現象の解明およびモデル化に取り組んでいます.(実験/数値計算)→詳細

フローバッテリ内の亜鉛析出

亜鉛蓄電池は,再生エネルギー利用のための大型蓄電池や中毒性を有する鉛蓄電池の代替の最有力候補です.しかし寿命が短いため,実用化には至っていません.これは充電時における亜鉛の電析形態が不均一で,内部ショートするためです.本研究では,従来流体工学分野で用いられてきたBOS法と呼ばれる手法を応用することで,電解液内亜鉛イオン濃度場と結晶成長の同時測定を可能としました.これを基にイオン輸送を制御し析出を均一化することで,亜鉛蓄電池の長寿命化を目指しています.(実験)→詳細

ボルテックスジェネレータによる噴流制御

噴流は様々な工業装置に用いられているため,それを制御することは,工学的に極めて重要です.この研究では,ボルテックスジェネレータ(VG)と呼ばれる小片を噴流出口部に挿入し,せん断層に乱れを加えることで,噴流のコントロールを試みています.これまでに,VGにより噴流出口直後では流体の巻き込みや物質の拡散が促進されるものの,下流部においては逆に抑制されることを明らかにしました.現在はそのような現象が生じるメカニズムを明らかにすることに取り組んでいます.(実験/数値計算)→詳細

MEMSセンサを用いた壁面せん断応力計測

壁面せん断応力とは,流れが物体表面に,表面と平行な方向に与える力の事です.これを計測することにより,はく離現象(飛行機の失速や,風が起こす音と関わる)や,飛行機などの乗り物の流体抵抗を調べることができます.センサーの精度を向上させるには,センサーに微細な加工を施す必要があります.この研究では,MEMS(マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム)の技術を用いて,微小で高精度なセンサーを開発しています.(実験)→詳細

二次元噴流における運動量・熱輸送

二次元噴流によって生じる乱流の中には,秩序だった大規模組織的構造が存在することが知られています.本研究では,速度・温度・圧力の測定を通して,二次元噴流中で乱流や大規模組織構造が運動量と熱の輸送にどのように寄与するかを明らかにすることを目指しています.この輸送機構の詳細なメカニズムが明らかになると,効果的な空調機器の開発等につながります.さらに,速度・温度・圧力の同時計測プローブの開発にも挑戦しています.(実験)→詳細

ステント留置による脳動脈瘤内の血流特性変化

脳動脈瘤の破裂は,人間の死亡主要因の一つです.これまでの研究により,瘤の成長や破裂には,瘤内の流れが大きな影響を及ぼすことがわかってきました.そこで本研究では,この課題に対して流体工学見地から取り組んでいます.実際の患者から得られたモデルを用いた実験および数値シミュレーションを行い,瘤内流れや重要なパラメータである瘤壁面にかかる摩擦力などを測定します.さらに,脳動脈瘤内の血栓化を促進することで,瘤の成長・破裂を抑制する流れを生み出すような血管内ステントの開発を行っています.(実験/数値計算)→詳細

シロッコファン翼間のはく離/再付着流れと騒音発生

近年,自動車エンジンの低騒音化が進められ,その分カーエアコンから発生する音が目立つようになりました.そこで,風を発生させるファンを改良し,低騒音化を目指しています.音は空気がファン表面からはがれたり,再付着することで発生するので,流速と,ファン表面の圧力と,発生した音を同時計測するという実験手法をとっています.同時に,実験では得られないパラメータを評価するため,数値シミュレーションも行っています.(実験/数値計算)→詳細

旋回流と噴流の共存流場の動的特性

火力発電タービンにおいて,燃料は噴流として,酸化剤(空気)を同軸旋回流として供給されます.これは,燃料と酸化剤の混合を促進し燃焼効率を高めるためです.しかしその現象は非常に複雑であり,各種パラメータは経験的に決定されています.この研究では,そのような複雑乱流場における流動構造と物質拡散・混合を,PIV(粒子画像計測法)による実験計測と,数値シミュレーションを行い解明し,装置を最適設計することを目的とています.(実験/数値計算)→詳細

乱流境界層内の大規模構造

飛行機や自動車など流体中を動く物体の表面近くには乱流境界層と呼ばれる速度変化の大きな層が形成されます.物体が移動するときの抵抗が,この乱流境界層の状態に大きく支配されています.本研究では壁面摩擦の発生機構として近年注目されている乱流境界層内の大規模構造の特性を解明することを目的としています.流速の測定ではおもに左の写真のような自作の多点計測用熱線流速計を用いています.(実験)→詳細

おもな研究設備

循環型大型風洞

主な用途:

・乱流と衝撃波の干渉実験

・物体(翼等)の外部・内部流れ

・格子乱流(一様等法制乱流の物理)

吹き出し型大型風洞

主な用途:

・乱流境界層に関する実験

格子乱流風洞

主な用途:

・CO2(物質)の乱流拡散に関する実験

・格子乱流の生成機構に関する研究

二次元噴流風洞装置

主な用途:

・速度・圧力・温度の同時計測

・乱流の秩序構造の抽出

軸対称噴流風洞装置

主な用途:

・噴流の制御

・速度・温度同時計測

混合層水槽

主な用途:

・物質の乱流拡散に関する実験

・レーザ計測手法に関する研究

液相二次元噴流装置

主な用途:

・化学反応を伴う乱流に関する実験

その他

・壁面噴流風洞

・翼列モデル風洞

・二次元チャネル風洞

・脳動脈瘤モデル用水槽

・液相噴流拡散水槽

 

・噴流と旋回流の干渉実験用水槽

・縦型格子乱流水槽

 

・ワークステーション

・スーパーコンピュータ(共同利用)