研究紹介

異方オープンポーラス構造体のマクロ材料モデルの構築

発電機,自動車,航空機等の熱交換器の伝熱コア部にはオープンポーラス構造体が使用されることが多い.そのFEM解析を行うと,構造の複雑さのために要素数が莫大となり,計算負荷が大変高くなる.本研究では,周期単位セルの変形挙動をマクロ材料モデルによって近似し,伝熱コア部を均質体に置換することで,計算負荷の低減を試みている.科研費採択研究課題(基盤研究(B),平成24〜26年度)の一部である.

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非弾性材料モデルOLMATSを用いた高精度な構造解析

非弾性FEM解析によって高精度な解析を行うには,解析の目的に応じた適切な材料モデルを使用する必要がある.大野研究室では,高精度な解析を行うための,汎用性の高い非弾性材料モデルソフトOLMATSを開発し,電子部品のはんだ接合部を始めとする様々な解析を行ってきた.本研究では,OLMATSを用いた高精度な構造解析を行う.

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ゲル膜に生じる膨潤誘起分岐座屈パターンの有限要素解析

基板に拘束されたゲル膜を溶媒吸収によって膨潤させると面内には圧縮応力が発生する.この圧縮力を駆動力として膨潤誘起座屈は発生し,ゲル膜表面には周期的で多様なパターンが現れる.本研究では,不均質場理論を用いた有限要素シミュレーションによって,このパターン変態のメカニズム解明に取り組んでいる.科研費採択研究課題(基盤研究(C),平成24〜26年度).

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ゲル材料のための高精度な超弾性体材料モデルの開発

高分子は溶媒を吸収することによって膨潤し,ゲル化する.ゲル材料の高精度な数値シミュレーションのためには,膨潤を考慮した材料モデルの開発が必要である.本研究では,超弾性体モデルを拡張することによって,膨潤を考慮した材料モデルの開発に取り組んでいる.科研費採択研究課題(基盤研究(C),平成24〜26年度).

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紙の特異な力学特性を考慮した有限要素シミュレーション

紙材料は広く利用されているが,非常に特異な力学特性を有することはあまり知られていない.例えば,面外方向と面内方向では初期剛性は大きく異なり,面外方向には層間剥離も生じる.本研究では,このような紙の特異な力学特性が,ダンボールなどの紙製品に及ぼす影響を解析している.

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ドライエッチング過程で生じる微細パターン構造のうねり座屈解析

近年,半導体の高性能化のために構造の微細化が進んでいるが,微細化により半導体製造時のドライエッチング過程において真性応力を原因とするうねり座屈が発生することが問題となっている.本研究では,ドライエッチング過程の有限要素モデルを提案し,うねり座屈の波長や振幅といった特性を解析している.

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非立方晶系材料の塑性変形機構の原子レベル解析

鉛フリーハンダ材の主成分として用いられる白色スズ(β-Sn)のような非立方晶系材料の塑性変形機構は,結晶構造の複雑さに起因して,まだよくわかっていない.本研究では,第一原理計算や分子動力学法といった原子シミュレーションを用いて,非立方晶系材料の活動すべり系とそのすべり経路,双晶変形機構などの解明に取り組んでいる.

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理想せん断強度の新たな理論モデルの構築と有効性の検討

ナノスケール材料・構造体の降伏強度が理想強度に極めて近い値を示すことが近年報告されている.本研究では,結晶構造やすべり系を問わずに適用可能な理想せん断強度の新たな理論モデルを構築し,様々な材料の第一原理計算結果と比較することで,新モデルの有効性を検討する.

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ナノチューブの機械的特性の原子・電子シミュレーション

カーボンナノチューブ(CNT)や窒化ホウ素ナノチューブ(BNNT)といったナノスケール材料は,従来材料にはない優れた特性を有することが明らかとなっているが,その発現メカニズムなど未知な点も多い.本研究では, CNTやBNNTの機械的特性に着目して,分子動力学法や第一原理計算を用いて研究を行っている.科研費採択研究課題(若手研究(B),平成26〜28年度)の一部である.

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